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広がる衛星の活用で、宇宙ビジネスがますますヒートアップ?!
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ここ数年、宇宙が急速に身近な存在になりつつあり、様々なビジネスが生まれてきています。そんな宇宙の話題についてご紹介します。

何気なく使っているけれど、上空のどこからが宇宙?

ここで皆さんに質問です。宇宙は空にありますが、ではどこからが宇宙でしょう?国際航空連盟(FAI)という組織の定義では高度100kmから上空を宇宙と定義しています。100kmという距離は地上の位置関係でとらえると東京駅から熱海駅程度の距離となります。宇宙の入口までは物理的な距離で考えると意外と近いのです。国際宇宙ステーション(ISS)は地上から約400kmの軌道に位置しています。

国際宇宙ステーション(ISS)

米ソ冷戦時代からスタートした宇宙開発の歴史

宇宙開発は第二次世界大戦後の米国と旧ソ連の冷戦時代に始まりました。当時は国の威信をかけて膨大な国家予算が投入され、人工衛星の開発、有人による宇宙開発と激しい競争が繰り広げられました。やがてソ連崩壊による冷戦終結でこうした競争は終わりをとげ、その後、宇宙開発は競争から協調の時代に入り、1998年には米国、ロシア、日本、欧州他15か国の協力で国際宇宙ステーションの建設が始まり2011年に完成しています。

そうした動向の中で、米国において膨大な費用が掛かる宇宙開発は政府資金で民間を支援する形で徐々に調達や委託が進み、SpaceXといった宇宙ベンチャー企業が誕生するきっかけとなりました。

2024年には約100兆円という予測も。拡大する宇宙ビジネス

宇宙ビジネスは拡大を続けており、2040年代には約100兆円に達するという予測もあります。宇宙ビジネスと聞くとロケットや衛星の製造や打ち上げが思い浮かびますが、実はその市場規模は宇宙ビジネス市場全体からみると数パーセント程度なのです。その一方、宇宙ビジネス市場で大きな割合を占めているのが衛星を使った放送・通信やデータ活用サービスで全体の3割程度となっています。同様にそれらサービスを活用するための端末やネットワーク機器といった地上設備がほぼ同じ市場の割合を占めています。

衛星サービスは、これまで人工衛星を軌道に載せるためのコストが極めて高額でしたが、SpaceXがロケットの再利用に成功した他、小型ロケットを打ち上げるベンチャー企業の市場参入が進んだことで打ち上げコストの低価格化が進んでいます。また、人工衛星そのものも技術革新と民生品の活用等で小型・高機能化と低価格化が進み、複数のベンチャーが製造とサービス展開に参入しています。

日進月歩で進化する衛星通信

従来、通信に利用される衛星は静止軌道衛星といって高度36,000kmの軌道に地球の自転と同じとどまって、一つの衛星から広い範囲に電波をカバーする形態で利用されていました。一方、最近話題となっているSpaceXが打ち上げているStarlinkといった小型衛星は低軌道衛星と呼ばれ高度2,000kmまでの軌道を周回しています。こうした低軌道衛星は、地球から近く常に軌道上を移動していることから、一つの衛星でカバーできる範囲も狭く、刻々と場所も移っていきますので、複数の衛星を連携させることでシステムとして利用しています。これらはさながら、星座(コンステレーション)のようなイメージであることから衛星コンステレーションと呼ばれています。

低軌道衛星のメリットは衛星本体が小型で低価格なこと、地球からの距離が近いことから低遅延で高速な通信が可能となることがあげられます。しかしながら、衛星一機あたりは低コストですが、広いエリアをカバーするためには膨大な数の衛星が必要となり(Starlinkはこれまでに3,000機以上を打ち上げています)、その全体コストが高くなることと、これら衛星を切り替える際に通信が不安定になる可能性があります。

風力発電

通信だけでなく、多用途に活用される人工衛星

人工衛星の用途としては通信の他にリモートセンシング(観測)、測位、惑星探査といったものがあります。中でも地球の画像や映像を宇宙から撮影するリモートセンシングは様々な利活用が進んでいます。背景として、衛星の小型化による民間人工衛星の増加に加えて、これまで国家機関が所有していたデータの利用開放や規制緩和が挙げられます。リモートセンシングの代表的な例は天気予報に利用される気象観測衛星です。リモートセンシングの衛星はセンサによって光学式とレーダ式の二つに分けられます。光学式の衛星は太陽光の反射を利用して宇宙から地上の対象物の映像を撮影します。しかしながら、撮影したい対象物が雲で覆われていたり、夜間に暗くなってしまった場所は光学式では思うように観測ができません。そうした光学式では観測できないような対象物の撮像の可能性を広げるのが音波(マイクロ波)を使ったレーダ技術です。衛星から合成開口レーダ(SAR)と呼ばれる技術を使って撮影された映像データは電波の反射波をとらえたもののため、人間が目にするイメージとは違い、色がなく、その加工に特別な知識が必要となりますが、曇りや夜間でも地表の様子が観測できます。こうしたレーダを利用した衛星は地上まで電波を放出する必要があることから、光学センサよりもより大きな電力が必要となり小型化が困難でしたが、技術の進歩で小型衛星にも搭載可能になったことで複数の衛星を使った高頻度な観測が可能になりました。

ただし、どちらの映像の方が優れているということは一概に言うことはできず、それぞれの特性に応じた利用方法で活用されています。

AIの登場により、さらに高精度・高付加価値化する衛星画像

映像は単に対象物を撮影するだけではなく、それらを解析することで付加価値が生まれます。こうした映像解析はAIの得意分野であり、近年その技術が著しく進歩していることは既にご存知のことかと思います。宇宙からの映像をAIで解析する様々な利用用途やサービスが現在生まれています。

代表的な例として、投資を目的とした情報としての活用があります。例えば人工衛星からの観測対象を郊外型の大型小売店舗の駐車場とします。撮影された映像にはその店舗で買い物をするために訪れた複数のお客さん達の車が写っています。AIの画像認識技術を活用すれば、その映像から駐車場内の車の台数を数えることが瞬時に可能となります。衛星から特定の駐車場を撮影し、そこに停まっている車の台数を定期的にカウントし続け、その数の推移を分析することで、その店舗がこれまでよりお客さんの数が増加しているのか、それとも減少しているのかということが明らかになります。そうした傾向は投資の際の客観的な判断指標の一つとして活用することができます。

人工衛星から行うAI映像解析

また別の投資の際の判断材料としての利用例として、穀物の生育状況をモニタリングがあります。穀物を始めとする農産物はその生育状況によって国際市場において価格が変動することから、先物取引といった市場が存在します。人工衛星は広大なエリアを撮影することが得意ですので、世界中の農地の状況を逐次撮影し、解析することで地域ごとの農産物の生育状態を把握することが可能となり市場価格の推移を予測する貴重な情報となり得えます。

人工衛星の映像解析で畑の生育状況も確認できる

リモートセンシングは天気予報やこうしたビジネス活用以外にも災害地域の状況把握、環境モニタリングといった分野と幅広い領域で活用されています。

HAPSという新たな領域の開拓

宇宙と地球との間に12~50kmの成層圏とよばれるところが存在しています。この成層圏は大気圏の一部ですがこの高度では空気が存在するため、通信基地局の機能を持たせた飛行機のような無人の機体を特定エリアに飛行させ、広いエリアに通信を提供する仕組みがあります。このシステムはHAPS(High Altitude Platform Station)と呼ばれ、衛星通信とは違った形でこれまで電波が届きにくかったエリアに対して通信が提供可能なことから、その活用も注目されています。

そのメリットとしては地上からの距離が近いことから、衛星通信よりも遅延が少なく無人飛行機であれば、特別な発射装置等は不要です。空港さえあれば離着陸が可能で、展開がしやすいことが挙げられます。その反面デメリットとしては積載できる重量が限られ、衛星と比較するとカバーエリアが小さいことが挙げられます。

宇宙と地上をシームレスにつなぐ宇宙統合コンピューティング・ネットワーク構想

こうして、宇宙空間において、衛星を利用した通信やセンシングの用途が飛躍的に増えつつあります。そんな中、宇宙空間と地上とをシームレスにつなぐという構想が発表されました。その代表的なものに宇宙統合コンピューティング・ネットワーク構想があります。現在、宇宙で集めた観測データは地上に送られて処理がなされます。しかし、そうした観測データを地上に送信するには非常に多くの課題が存在します。低軌道の観測衛星はその精度が向上すると同時にデータ量も膨大になっています。さらに低軌道衛星は約90分で地球を一周するため、地上にデータを送信するタイミングは地上の基地局の上空を通過するときに限られます。その限られた時間内でデータを地上に送るには限度があります。

そうした課題を克服するために、衛星軌道上に光通信とデータセンタの役割を持たせ、そこで膨大なデータを一旦取り込んで加工・リレーすることで、必要な情報のみをタイムリーに地上に届けることが可能なります。また6Gの世界では広域なモバイルネットワークを構築する目的から、地上だけではなく、HAPSも含め、宇宙空間もネットワークの一部としてネットワーク化することが進みつつあります。

宇宙空間もネットワークの一部

やがては月や火星で活躍する人類も

今後、さらなる科学技術の進歩で身近になりビジネス展開が注目される宇宙分野。さらに米国を中心に50数年ぶりに月への有人飛行が計画されており、その動向に目が離せません。地球だけでなく、月や火星、そしてさらに太陽系を離れた深宇宙まで。宇宙の通信インフラの発展が人類の活躍の場を広げてくれる日もそう遠くないかもしれません。

宇宙を構成する要素技術

#低軌道衛星
高度2,000km以下の軌道を周回している衛星をさす。高度約36,000kmで周回する静止軌道衛星に比べ、小型・ローコストで製造でき、地球との距離が近いことから通信速度が速いメリットがある。

#レーダ
電波を遠方の物体に発射し、その反射波を利用して距離や方向の他、対象物の状態を測定する装置。波長が長い電波を利用するため、遠方の物体を探知することができる。

#リモートセンシング
離れた場所からモノに触れずに調べる技術をさすが、最近では地球の表面を人工衛星や航空機からの観測技術を意味することが多い。

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